うぶだまの話
序章
真珠が宝石として生まれ変わるもっと前のお話。
真珠養殖業者によってアコヤガイから取り出された真珠の原石。
まずは入札会に出品するために選別が行われます。
その選別の過程でたくさんの真珠の中からとびきり目を引く
真珠を見つけることがあります。
それは強い輝きであり、ナチュラルな色、形であり。
その純真無垢(=うぶ)な真珠は、生まれたままの姿を保ちながら、
これまでに誰も見たことのないオンリーワンジュエリー「うぶだま」
として生まれ変わります。
真珠は、色、形、輝き、大きさなど様々な個性を持って生まれてきます。
それらの真珠は、サイズ、品質などの規格ごとに選別され、
入札会を通して真珠養殖業者から真珠加工業者の手に渡ります。
それから「しみ抜き」「調色」などの加工を経て、
一般的によく見られるピンクの真珠へと変わり、市場へと流通していきます。
入札用の真珠は、ある程度「色」「形」「輝き」が揃っていた方が好ましいので、
それに準じて選別は行われ、似たような真珠が入札会場には並んでいきます。
そのため、個性を持った真珠はそのような一般的な真珠の中で、
同じような加工を施され、その魅力を表現できぬまま、
自分たちの本当の価値を表現できぬまま埋もれていました。
私たちも気が付きませんでした。
全ての真珠養殖業者が入札会で高値が付きそうな真珠作り、
入札会に出品するための選別を行っていたのですから。
土居真珠のなりたち
1957年、創業者である祖父延徳が愛媛県宇和島市で
真珠養殖に使用するアコヤガイの稚貝の採苗を始めました。
ここから土居真珠の歴史はスタートしました。
1987年、父秀徳がもう一つの柱となる
真珠の加工販売部門を立ち上げ、真珠の直売を始めました。
2007年、「真珠養殖場体験ツアー」を開始し、
宇和島市を訪れるお客さんに実際の真珠養殖場を使った
リアルな真珠の紹介を行ってきました。
「真珠ってピンクだけじゃなくていろいろな色のものがあるんですね」
「こんな色の真珠、初めて見ました」「この突起がかわいい」
ツアーで参加者の方がよく言われる言葉でした。
「この真珠の、このシミがいいですね」
なんて言葉もよく聞きました。
私たちが幸運だったのは、
このようなツアーや真珠直売店で直接お客様と接する機会を
多く持つことができたことです。
何十年も凝り固まっていた私たちの頭が
お客様の言葉によってじわじわと柔らかくなっていきました。
お客様のニーズが多様であることも分かってきました。
もうひとつ幸運だったことは、
のちに新しい商品として使われることになる
それらの真珠を少しずつ集めていたことでした。
真珠の選別を行っていた母京子が、
その規格外の真珠を昔からコレクションしていたのです。
それらの真珠は何に使われるわけでもなく、
穴も開けられていない状態で袋の中に入っていました。
「この真珠で商品を作ってみようか」
この言葉は自然と生まれました。
反応はすぐに現れました。
それらの真珠は、ジュエリーに加工され店内に陳列されると、
自らの個性を発揮し始めたのです。
店には、ここでしか手に入らないような
珍しいものを求めるお客様も多く来られます。
一言も話すことなく、ずっと眺めているお客様もおられました。
首をかしげているお客様もおられました。
何だか分からなかったようです。
今までに見たことがないと言っておられました。
真珠は貝から生まれてくるとき、いろいろな個性を持って生まれてきます。
人間と同じです。一つとして同じ真珠はありません。
私はピンクの真珠がダメだと言っているのではありません。
ピンクの真珠はとてもすばらしい真珠です。
特にピンクの真珠で作ったネックレスは、
その不変のデザインが100 年以上も前から世界中の人々に愛されています。
この不変のデザインが、
これからも真珠の魅力を世界中へ伝えていく
重要なものだとレスペクトしています。
その不変の魅力を誇るネックレスを作るためには、
真珠の並びを見栄えよくするために、
真珠の品質にバラつきが少ない方が都合は良い。
現在ではアコヤガイの人工採苗など技術の進歩により、
色や輝きなど品質の似通った真珠を作ることができるようになりました。
ネックレスの品質もとても良いものがそろっています。
しかしその結果と反比例するように、
個性を持った真珠は少なくなってしまいました。
うぶだまの誕生
日本で取れるアコヤ真珠には養殖期間が
1年の真珠と2年の真珠があります。
真珠の価値を判断する基準の中で一番大切な要素は「真珠層の巻き厚」で、
この巻き厚が厚いことがとても重要です。
この真珠層の巻き厚は基本的には養殖期間が長いほど厚くなります。
1年物よりも2年物の方が真珠層の巻き厚は厚くなりますが、
品質のバラつきが大きくなってきます。
アコヤガイそれぞれの個体差もありますが、
基本的には1年物の方が品質にバラつきが少ないため、
ネックレス用の真珠として使いやすいのですが、
土居真珠では個性を持った真珠を生み出すために、
より良い品質の真珠を生み出すため、
2年物の真珠を多く作る努力をしています。
海の水温の下がる冬は真珠の玉出しには最適な季節です。
水温が下がることで、真珠の表面を覆う真珠層が引き締まり、
真珠に輝きが生まれるためです。
その真珠の玉出しの時期に取り出される数万の真珠の中から、
ほんの数十粒しか出てこない真珠。
宝石の魅力のひとつである「一点もの」の価値を
強烈に持って生まれてきた真珠。
ようやくみなさんに自信をもってご披露することができます。
その純粋無垢な、生まれたままの姿。
私はこれを「うぶだま」と名付けました。
うぶだまの話
Prologue
- 真珠が宝石として生まれ変わるもっと前のお話。
真珠養殖業者によってアコヤガイから
取り出された真珠の原石。まずは入札会に出品するために選別が行われます。
その選別の過程でたくさんの
真珠の中からとびきり目を引く
真珠を見つけることがあります。 - それは強い輝きであり、
ナチュラルな色、形であり。
その純真無垢(=うぶ)な真珠は、
生まれたままの姿を保ちながら、
これまでに誰も見たことのないオンリーワンジュエリー「うぶだま」として生まれ変わります。 - 真珠は、色、形、輝き、大きさなど
様々な個性を持って生まれてきます。
それらの真珠は、サイズ、品質などの規格ごとに選別され、
入札会を通して真珠養殖業者から真珠加工業者の手に渡ります。それから「しみ抜き」「調色」などの加工を経て、
一般的によく見られるピンクの真珠へと変わり、市場へと流通していきます。 - 入札用の真珠は、ある程度「色」「形」「輝き」が揃っていた方が
好ましいので、それに準じて選別は行われ、
似たような真珠が入札会場には並んでいきます。
そのため、個性を持った真珠はそのような一般的な真珠の中で、 - 同じような加工を施され、その魅力を表現できぬまま、
自分たちの本当の価値を表現できぬまま埋もれていました。
私たちも気が付きませんでした。
全ての真珠養殖業者が入札会で高値が付きそうな真珠作り、
入札会に出品するための選別を行っていたのですから。
土居真珠のなりたち
- 1957年、創業者である祖父延徳が愛媛県宇和島市で
真珠養殖に使用するアコヤガイの稚貝の採苗を始めました。
ここから土居真珠の歴史はスタートしました。
1987年、父秀徳がもう一つの柱となる
真珠の加工販売部門を立ち上げ、真珠の直売を始めました。 - 2007年、「真珠養殖場体験ツアー」を開始し、
宇和島市を訪れるお客さんに実際の真珠養殖場を使った
リアルな真珠の紹介を行ってきました。 - 「真珠ってピンクだけじゃなくていろいろな色のものがあるんですね」
「こんな色の真珠、初めて見ました」「この突起がかわいい」
ツアーで参加者の方がよく言われる言葉でした。
「この真珠の、このシミがいいですね」
なんて言葉もよく聞きました。 - 私たちが幸運だったのは、
このようなツアーや真珠直売店で直接お客様と接する機会を
多く持つことができたことです。
何十年も凝り固まっていた私たちの頭が
お客様の言葉によってじわじわと柔らかくなっていきました。
お客様のニーズが多様であることも分かってきました。 - もうひとつ幸運だったことは、
のちに新しい商品として使われることになる
それらの真珠を少しずつ集めていたことでした。
真珠の選別を行っていた母京子が、
その規格外の真珠を昔からコレクションしていたのです。
それらの真珠は何に使われるわけでもなく、
穴も開けられていない状態で袋の中に入っていました。
「この真珠で商品を作ってみようか」
- この言葉は自然と生まれました。
反応はすぐに現れました。
それらの真珠は、ジュエリーに加工され店内に陳列されると、
自らの個性を発揮し始めたのです。
店には、ここでしか手に入らないような
珍しいものを求めるお客様も多く来られます。
一言も話すことなく、ずっと眺めているお客様もおられました。 - 首をかしげているお客様もおられました。
何だか分からなかったようです。
今までに見たことがないと言っておられました。
真珠は貝から生まれてくるとき、いろいろな個性を持って生まれてきます。
人間と同じです。一つとして同じ真珠はありません。 - 私はピンクの真珠がダメだと言っているのではありません。
ピンクの真珠はとてもすばらしい真珠です。
特にピンクの真珠で作ったネックレスは、
その不変のデザインが100 年以上も前から世界中の人々に愛されています。
この不変のデザインが、
これからも真珠の魅力を世界中へ伝えていく
重要なものだとレスペクトしています。 - その不変の魅力を誇るネックレスを作るためには、
真珠の並びを見栄えよくするために、
真珠の品質にバラつきが少ない方が都合は良い。
現在ではアコヤガイの人工採苗など技術の進歩により、
色や輝きなど品質の似通った真珠を作ることができるようになりました。 - ネックレスの品質もとても良いものがそろっています。 しかしその結果と反比例するように、 個性を持った真珠は少なくなってしまいました。
うぶだまの誕生
- 日本で取れるアコヤ真珠には養殖期間が1年の真珠と2年の真珠があります。
真珠の価値を判断する基準の中で一番大切な要素は「真珠層の巻き厚」で、
この巻き厚が厚いことがとても重要です。
この真珠層の巻き厚は基本的には養殖期間が長いほど厚くなります - 1年物よりも2年物の方が真珠層の巻き厚は厚くなりますが、
品質のバラつきが大きくなってきます。
アコヤガイそれぞれの個体差もありますが、
基本的には1年物の方が品質にバラつきが少ないため、
ネックレス用の真珠として使いやすいのですが、
土居真珠では個性を持った真珠を生み出すために、より良い品質の真珠を生み出すため、2年物の真珠を多く作る努力をしています。 - 海の水温の下がる冬は真珠の玉出しには最適な季節です。
水温が下がることで、真珠の表面を覆う真珠層が引き締まり、
真珠に輝きが生まれるためです。
その真珠の玉出しの時期に取り出される数万の真珠の中から、
ほんの数十粒しか出てこない真珠。 - 宝石の魅力のひとつである「一点もの」の価値を
強烈に持って生まれてきた真珠。
ようやくみなさんに自信をもってご披露することができます。
その純粋無垢な、生まれたままの姿。
私はこれを「うぶだま」と名付けました。
うぶだまの定義
光沢のメカニズム
真珠の輝きは何千層と積み重なるその真珠層の表面を反射する光、
その真珠層内部で反射・屈折する光の複雑な干渉によって生まれます。
一般的にはその真珠層の個々の結晶層が薄いほど強い光沢が生まれます。
アコヤ真珠の玉出し時期が冬に行われるのは、
真珠表面の真珠層の生成が冬の低い水温で目が締まりキメが細かくなることで、
逆に水温の高い夏に取り出した真珠は輝きが弱く、光沢が鈍くなります。
アコヤガイにはそれぞれに個体差があり、
その体内からはいろいろな真珠が生まれてきます。
たとえ冬に真珠を取り出したとしても輝きの弱いものが生まれたりもしますが、
逆にとても輝きの強いものが生まれる場合もあります。
まるで金属の玉のようなメタリックな光沢が特徴のその真珠。
うぶだまに使用される真珠は、
その0.1%の確率で生まれた特別な真珠が使われています。
純粋無垢(=うぶ)な美しさ
アコヤガイから取り出した後の真珠は、
その生成過程で生まれた有機物などの影響で内部にシミがあるものが多く、
通常はそのシミをシミ抜き加工で抜き取るなどの加工を施し製品となりますが、
うぶだまに使用される真珠はどれも、
そのような斑になった状態のものでは無く、
アコヤガイから取り出したままの状態で使える無加工(無漂白・無調色)の
ナチュラルなカラーのものを使用しています。
そのため、通常みられるようなカラーの真珠では無く、
ナチュラルなピンク、ホワイト、グレー、クリーム、ゴールドなど、
個々が様々な色の特徴を持っています。
宇和島で育んだ信頼の証
うぶだまに使用される真珠は、
宇和島で半世紀以上も真珠を見続けてきた私たちの目によって選定されています。
選ばれたその品質は仲間の真珠養殖業者も惚れ込むほど。
機械では測れないその美しさをぜひご確認ください。
うぶだまは愛媛県のすごモノに認定されています。
すごモノとは
古事記の国生みの神話に由来する麗しい名の「愛媛」は、豊かな自然や文化にはぐくまれた伝統的特産品の宝庫です。
愛媛県ではこうした産品はもとより、伝統を引き継ぎながらも、新たな感性が吹き込まれた逸品など、魅力あふれる商品の数々を「すごモノ」として認定しています。
うぶだまの定義
光沢のメカニズム
- 真珠の輝きは何千層と積み重なるその真珠層の表面を反射する光、
その真珠層内部で反射・屈折する光の複雑な干渉によって生まれます。
一般的にはその真珠層の個々の結晶層が薄いほど強い光沢が生まれます。
アコヤガイにはそれぞれに個体差があり、
その体内からはいろいろな真珠が生まれてきます。 - たとえ冬に真珠を取り出したとしても輝きの弱いものが生まれたりもしますが、
逆にとても輝きの強いものが生まれる場合もあります。
まるで金属の玉のようなメタリックな光沢が特徴のその真珠。
うぶだまに使用される真珠は、
その0.1%の確率で生まれた特別な真珠が使われています。
純粋無垢(=うぶ)な美しさ
- アコヤガイから取り出した後の真珠は、
その生成過程で生まれた有機物などの影響で内部にシミがあるものが多く、
通常はそのシミをシミ抜き加工で抜き取るなどの加工を施し製品となりますが、
うぶだまに使用される真珠はどれも、
そのような斑になった状態のものでは無く、
アコヤガイから取り出したままの状態で使える無加工(無漂白・無調色)の、
ナチュラルなカラーのものを使用しています。 - そのため、通常みられるようなカラーの真珠では無く、
ナチュラルなピンク、ホワイト、グレー、クリーム、ゴールドなど、
個々が様々な色の特徴を持っています。
宇和島で育んだ信頼の証
- うぶだまに使用される真珠は、
宇和島で半世紀以上も真珠を見続けてきた私たちの目によって選定されています。
選ばれたその品質は仲間の真珠養殖業者も惚れ込むほど。
機械では測れないその美しさをぜひご確認ください。
うぶだまは愛媛県のすごモノに認定されています。
- すごモノとは、
古事記の国生みの神話に由来する麗しい名の「愛媛」は、豊かな自然や文化にはぐくまれた伝統的特産品の宝庫です。
県ではこうした産品はもとより、伝統を引き継ぎながらも、新たな感性が吹き込まれた逸品など、魅力あふれる商品の数々を「すごモノ」として認定しています。
よくある質問
- 宇和島で生まれた0.1%の奇跡とはどのような意味でしょうか?
-
うぶだまに使用できる真珠の確率を計算したものです。
弊社では3万から4万個くらいの真珠を養殖していますが、
今年うぶだまに使用できる真珠はそのうちの約50個でした。
真珠ができた段階でその確率ですから、核入れ前のアコヤガイの個数から計算すると、
斃死率も含まれてきますのでもっと低い確率になります。 - うぶだまのイヤリングやピアスはありますか?
-
フォーマルでイヤリングやピアスに使われる真珠は通常、
光沢や色、サイズの合った2粒を使って作りますが、うぶだまに使われる真珠はどれも個性があり、
同じ品質のものをそろえることが難しいため、今のところそのような製品化は行っていません。
ですが、カジュアルに左右非対称のイヤリングやピアスをされている方もおられます。
そのようなご希望がございましたらオーダーメイドでお作りできます。 - うぶだまのお手入れはどうすればよいですか?
-
ネックレスなど他の真珠製品と同じお手入れで大丈夫です。
使った後は、乾いた柔らかい布で拭いてください。
表面の汗を拭きとるようなイメージで拭いてあげましょう。
「拭く」「乾燥・湿気を避ける」「光や熱に長時間さらさない」
「他の宝石と一緒にしない」が重要です。
土居真珠について
1957年、創業者である私の祖父土居延徳が真珠養殖に使われるアコヤガイの稚貝の採苗を始め、
ここから土居真珠の歴史がスタートしました。
その後真珠養殖業に移行、加工販売部の立ち上げ、真珠養殖体験ツアーの開始など60年余、
浮き沈みを繰り返しながら続いてきた真珠産業とともに私たちは代々ものづくりに情熱を注ぎ、
長い年月、宇和島を中心とした地域密着を心がけ、たくさんの方々との「ご縁」を大切に歩んでまいりました。
私たちはこれからも、この地域とともに代々育んできた世界に誇れる宇和島の真珠を軸とした
様々なMADE IN JAPAN、MADE IN UWAJIMAのものづくりをご提供し、
皆さまに宇和島の魅力を知っていただき、より多く方に宇和島のファンになっていただけるよう努力してまいります。
お問い合わせ
商品に関するお問い合わせなど、
気になることがありましたらお気軽にご連絡ください。
住所
〒798-0102
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